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5.万騎峠 |
【翻訳】
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万騎峠
「万騎峠」とは、一万の騎兵が通った山道という意味だ。名高い鎌倉武士が山越えをして狩りをしたという。ユキとアイが、私を車に乗せて、第2ループの半ばにある水場に連れて行ってくれた。畑やビニールハウスや牧場を過ぎる。浅間山が後ろにそびえている。快晴のもと、雨で一段と深まった緑が映える。フォトスポットを求めて万騎峠の山道を登ってみた。森はとても深いが、数箇所、尾根道から森をすかして山々を見渡せる場所がある。写真は今ひとつだったが、最高のお散歩だ。
なんと豊かで美しい風景だろう。それに歴史に満ちている…。日本には、非常に成熟し洗練された文明がある。数世紀の鎖国の時代に醸成された文化があり、今なお伝統が息づいている。道端には古い石の道標やケルンがあり、深い森の奥には神社仏閣があり、わらぶき屋根がある。山道を登りながら考える。どれほど多くの脚が、ひづめが、わだちが、同じこの道をたどってきたのだろう、と。大気は濃い芳香を放っている。何世紀ものあいだに降り積もった落ち葉の、肥沃な黒土から立ちのぼる匂いだ。そして耳は、セミの声に圧倒される。
ライドは順調だ。非常にたくさんの人々が効率よくサポートしている。第1ループを先導したのはボブ・サンプルとティッカ‐・テープで、時速14.8kmのペース。一番遅かった人馬は時速9kmだった。今はだんだん気温が上がってきて、ライダーたちは第3ループの登りにアタックしているところ。森に囲まれた別荘地を抜ける急な斜面を登り、万騎峠に至る。かなりの標高差だ。この登りを4回もやらなければならない。第2ループ(私がお散歩したコース)の順位では、ボブ・サンプルが依然としていいペースを保っている。時速14.2km。第3ループではどんなペースになるか楽しみだ。中馬昌平とフリーダム・セバスチャンⅡは、ペースを回復して平均時速14.5kmになっている。蓮見さんはボブのすぐ後ろ、3位につけている。安永美登里が現在2位。水場のチェックポイントからの連絡によれば、本田正則が棄権した。キャンプに戻るにも、長く険しいライドになる
(ステフ) |
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【本文】 Manki Toge
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