ナショナルJOBA Ride 照月湖CEI 160kmエンデュランス馬術大会
■トピックス
20141012
伊豆ホースカントリー/スターシステム・チャレンジ・カップCEI2*1*2014年10月大会の報告
2014年10月3日(金)〜4日(土)
静岡県国立公園高室山伊豆ホースカントリー一帯特設コース(アラビアン・ホース・ランチ)
主催: 伊豆パノラマ・ライド大会実行委員会

 台風18号の接近が伝えられてはいたが、比較的穏やかな天候の獣医検査であった。しかし大会当日ふたを開けてみると、スタート時刻の気温が摂氏20度、湿度が90%という数字で、馬にとっては大変過酷な天候である。

それでもCEI2*120km参加5人馬、JEF80km参加2人馬、トレーニングライド60km1人馬、20km1人馬の合計9人馬参加というこじんまりした大会はスタートした。
最初に戻ってきたのは花子号・山崎ライダー、サントスAHR号・佐々木ライダーのノルマンディー大会帰国組の2人のライダーに引き連れられた花子号とサントスAHR号だった。通常の2頭に比べると心拍の落ちがずいぶん悪い印象だった。これは、温度+湿度100超えの影響だろう。
シャザムAHR号・小森組とケースター号・柳組の3レグ失権は跛行失権ではあったが、世界選手権へのトレイナーの海外長期出張などで、普段の馬のトレーニング不足が大きく影響してしまった。
ルイサン号・遠藤組の完走後のタイムオーバーは、本当に惜しかった。トレーニング不足と天候状況による初期の段階でのダメージが大きすぎたことによる。大会前に気象条件を考えてカットオフタイムの変更をしておくべきだった。2*は完走こそが必要なことなので、今回のカットオフタイムの設定(120kmは最低時速12km、80kmは最低時速が10km)が厳しすぎたことは、このような自然状況が悪いときには無理があったと大会本部は反省している。
これはJEF80km競技でもいえることで、佐藤・アイディール号、林・若葉号の2組がそろって、第3レグ出発前にタイムオーバーが予測できるからとの理由で棄権となってしまった。60km競技も七野・バンディット号が、リチェックで跛行と代謝不良をとられ失権となってしまった。この代謝不良の原因は休憩中に食欲が恢復せず、水もあまり飲むことがなかった走行中の馬への天候状況の大きな負担が影響していたとしか考えられない。
尚20kmに参加の百花姫号・元吉の人馬は、20kmが幸いし、完走。人馬ともに怪我からの復帰戦、見事だった。
台風シーズンでもある10月の大会運営は、種々の条件を綿密に検討する必要があることを、走行結果が大会本部に教えてくれた。

さて、競技に戻ろう。午前9時には気温摂氏23度、湿度79%とわずかに改善されてきたがまだ厳しい状況だ。お昼ごろには気温摂氏25度、湿度が60%まで落ちてきた。しかし、すでに80km以上このきつい環境の中で走ってきた馬にとっては、第4レグ、第5レグの追い込みがどこまで出来るのか?なんとサントスAHR号は、第4レグで時速13kmをキープし、花子号を一歩引き離した。しかし花子号の追い込みは見事だった。時速14.3kmで、ゴールではサントスAHR号を鼻差で抜いた。この2頭の姿が見えれば、気力を何とか振り絞って走っていたルイサン号は、2頭の姿がパノラマコースから消えてしまうと周りの歓声につられて何とか1周は走ったが、残る1周は動かなくなった。遠藤ライダーは、下馬してパノラマコースを曳き馬で1周、ゴール直前、気力を振り絞って騎乗し、たとえタイムオーバーでも完走した。この人馬に対する拍手歓声が暗闇の中に大きく響いた。平均走行時速は11.7km。わずか0.3kmの不足だ。
一方、鼻差でゴールした2頭のBC賞の行方はどうなったか。やはり最終レグを時速14.3kmに追い込んだ疲れが出たようで、BC賞のスコア表によると心拍リカバリーの数値が花子号は悪く、その疲労感が全体評価に悪影響が出たのか、サントスAHR号の受賞となった。

伊豆10月大会結果表
ゴールの花子号・山崎ライダー(奥)とサントスAHR号と佐々木ライダー(手前) 優勝の花子号と山崎ライダー 2位でBC賞受賞のサントスAHR号と佐々木ライダー
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120kmを完走したルイサン号と遠藤ライダー
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