ナショナルJOBA Ride 照月湖CEI 160kmエンデュランス馬術大会
■トピックス
20080922
照月湖CEI2☆80km&JEF80km参加者レポート・その2
大会参加レポート
馬:バンディット   ライダー:佐々木彩妃

今回の大会は春の八ヶ岳大会以来のバンディットでの参加でした。
バンディットにとって久々の大会ですがCEIということもあり、錘12sをのせて出場しましたが、八ヶ岳では錘をのせて走行し、失権していたのでとても不安でした。
前日のベトチェックでの歩様検査では跳ね、当日どうなるのだろうと思っていたところ、 案の定、当日スタートをきると同時に跳ね出しました。下り坂だろうがなんだろうがひたすら跳ね続け、列の1番後ろについたのが問題だと思いますが、ロデオ状態でした。しばらくしてポニーボーイと遠藤さんが先頭になり、バンディットと私は2番手につきました。
すると落ち着き、照月湖につくころにはおさまりました。
ですが集団になって走るとやはり興奮して跳ねてしまうので、途中から先頭に出て走りました。先頭に出ると跳ねることはないのですが、今度は物見が問題となりました。全体を通して大きく驚くことは2回ほどですみましたが、気をつけないとペースが上がれば上がるほど驚いたときの反応が激しかったです。

1レグは順調に帰ってきて、ベトチェックでは心拍の下がりも良く、腰にも歩様にも問題はなかったのですが、腸音が弱っていると言われました。水はよく飲んでいたので、休憩中は乾草や配合をちゃんと食べさせました。
2レグは途中からペースを落として走りました。ジュニアと北池さんと走ることが多かったですが、南木山は1頭となってしまいました。ですが並足は入れず、ゆっくりとしたペースで登り、給水ポイントでゆっくり休ませました。バンディットは水をちょっと飲んで休んで、またちょっと飲んで…というように、一気に飲みたいだけの水を飲まないようなので根気よく飲ませてやりました。そして首や脚を冷やしてやってまた走り出しました。
2レグが終わりベトチェックにつれていくと、心拍は40台ととても下がりがよかったのですが、腸音にCがついてしまいました。気をつけていないと危ないので、プロバイオを飲ませ、乾草を水につけて食べさせてやり、そして3レグの途中の川では脚を川に入れたまま草をしばらく食べさせました。ペースはとても遅く、歩くこともありましたがなんとかゴールすることができました。

ベトチェックも無事通り、なんとか目標の完走することができました。
春の八ヶ岳大会でとても悔しかったし、悲しい思いをしたので、そのぶんバンディットでの完走はとてもとても嬉しかったです。もっとバンディットの完走実績を増やせたらいいです。

クルーをやってくれた方々、大会関係者の皆々様のおかげでまたいい経験をすることができました。本当にありがとうございました。

佐々木彩妃



CEI2☆80kmレポート
馬:レミントンスティールU号   ライダー:北池ひろみ

ジュニアにとって初めての80kmチャレンジ、完走する為にいろいろな事を考えました。普段のトレーニング時は一頭だと落着いて走行できるのですが、他の馬を見つけると興奮し、力んで駈歩になってしまいます。道幅の広い所では追い抜いて先頭に出せばまた、落着いて走れるのですが・・。トレーニング時はチャンスがあれば、パートナーを見つけて一緒に走れるように馴らしていきたいと、いつも考えています。
金曜日の獣医検査の前に競技場内の厩舎へ移動しましたが、ジュニアはこの厩舎で過ごすのは初めてだった為、しばらくは周りを見渡し落着かない様子でした。この日は獣医検査の前と夕方と、出来るだけたくさん引き馬をすることに努めました。(獣医検査は問題なくオールA)
レース当日。スタートは事前にトレーナーの佐々木さんと相談し、他のライダー達の予定を伺った結果、先頭かカリームについて二番目にして馬の力が抜けるまで、あまり抑えすぎずに走らせようという作戦にしました。スタートは先頭で出ましたが、後ろについていたカリームが興奮し先頭に出たい様子だったので、ライダーの廣瀬さんと声をかけあい、湯沢のコースの中ですぐに抜いてもらって二番目からの走行となりました。先輩ホースについて走る形となり結果としては良かったと思います。
1レグは熊の内林道から登りの山道にはいり、ウォーターポイントQまでは、カリームの後ろを走っていましたが、その後も続く登りで明らかに発汗と心拍、呼吸の荒さがいつもと違い、馬が苦しくなってきた為、カリームから引き離し、後ろを走っていたヤノス、追いついてきたマキナに抜いてもらい、しばらく常歩で馬の状態を整えることにしました。ジュニアは前の馬達を追いかけてついて行きたがりましたが、抑えて我慢させているうちに落着いて常歩ができる状態になりました。その後一頭でマイペースの走行ができ、最後のウォーターポイントU地点ではしっかり水を飲んでいました。X地点からアスファルトの下りとなり降りて引き馬をしました。しばらく歩いているとゴールまで1kmという表示が現れたので、そのまま引き馬で歩いて帰ることにしました(人参と道草を食べながら)。1レグ後の獣医検査は心拍が52、歩様検査の速歩の後の心拍も52、その他の項目も大きな問題はなく、ジュニアは食欲も旺盛で元気でした。
2レグは前半、落着いたペースで安定した走行ができていましたが、後半、ジュニアは疲れてきたのか前進気勢が無くなり、急にペースダウンしました。他の馬に追い越されても追いかけようとしません。「僕、疲れた。お腹すいた。」と言っているようで、とぼとぼと歩き道草を見つけては自分からもりもり食べに行きます。食欲が落ちず、行動も素直でわかりやすい、ジュニアの良い所かなと思います。その後、2レグは常歩か降りて引き馬を繰り返し、1レグ同様X地点からは引き馬でゴールしました(また人参を食べさせながら)。2レグ後の獣医検査ではBの項目が増え心拍も厩舎では58だったのですが、獣医検査の場所では64になり、歩様検査の後は80まで上がってしまい、リチェックが必要であることを伝えられました。2レグは比較的落着いたジュニアのペースで走り、後半はほとんど歩いていたのですが、さすがに1レグからの疲れが出たようです。しかし、食欲もあり目がしっかりとしていた為、回復できると思いました。スタート10分前のリチェックでは心拍56から歩様検査後は60で、その他馬体も異常はなく3レグをスタートすることができました。
3レグでも2レグの後半と同様、ジュニアの前進気勢はあまり無く、脚を使って速歩になっても少し走るとすぐ常歩におちてしまうという繰り返しでした。何回も蹴りまくれば、もうちょっと元気のいい速歩が続くのですが、まだトレーニング中の若い馬であり、嫌な思いをさせてもいけないので、ジュニアの意思を尊重して制限時間いっぱいまで、のんびり行くことにしました。常歩や引き馬を繰り返しつつ走れる所は速歩を出して、なんとか制限時間内の目処が立ちました。ゴール後の獣医検査もまた20分以内の為、ゴール前ではわざと草を食べさせて時間を使い、馬を休ませました。ゴール後の心拍は52、歩様検査後も52。腸音、歩様、前進気勢、態度など、2レグ終了後にBだった項目がAに変わり、馬が回復してゴールできた事が嬉しかったです。翌日もジュニアは肢の腫れ、背、腰の痛みもなくとても健康でした。今後もトレーニングによりさらに成長していくであろう姿がとても楽しみです。
今大会はコースもとても綺麗で整備され、対向すれ違いも少なく安心して走ることができました。また、海外からの獣医師団の方々はとても安心感があり、判断や指示も明確で納得できるものであったと思います。
湿度による馬の疲労、レース中の馬の変化、海外獣医師団による獣医検査の内容など、今大会でもまた、勉強になることが沢山ありました。
最後になりましたが、今大会に参加できるチャンスを与えてくださったオーナーの蓮見ご夫妻、大会にご協力いただいたすべての皆様に厚く御礼申し上げます。
                           北池 ひろみ



ティックと走った80キロ
馬:ティッカーテープ   ライダー:井下香苗

9月13日(土)AM6時。80`大会のスタートだ。スタート時はやはりどの馬も興奮気味。前日に打ち合わせしたように、ティックはギィタップ(佐々木さん騎乗)率いる第2集団でスタートした。普段はおっとりしているティックも力強く前に出たがっていたが、ペースを守るギィタップに抑えられる形で、ポニーボーイ(遠藤さん騎乗)、アイマ(村井さん騎乗)とともにコースを進んでいった。最初の30分ばかりは、興奮状態のティックも次第に落ち着いて、前の馬にひたむきについていくようになっていた。第1レグは、そんな調子で、騎乗している私も無我夢中になっている内にあっという間の30`であった。本部場内に入った所で、全員下馬し引き馬にて到着。心拍もスムースに落ち、速やかにベトチェックに向かう。歩様も問題なく、無事ベトチェックを通過できた。
第2レグスタート。この時にはすっかり落ち着き、それでも元気いっぱいのティックは同じく第2集団として順調に進む。先頭のギィタップは相変わらずの好ペースで上りも下りもどんどん進み、ティックはちょっと重くなりながらも引き離されることなくついていった。給水ポイントで水を飲ませるために少し休憩を取るが、他の馬たちに比べ水をあまり飲まないのが気になったが、水を飲む馬たちを尻目に、付近の草をモリモリ食べていたので、疲れた様子は見られなかった。その後も順調なペースでコースを進んでいると、遠目に先頭のマキナ(西山さん騎乗)とカリーム(廣瀬さん騎乗)が見えて来た。ペースを落とすことなく進んで来た結果だった。私自身はそれを見て、嬉しさからヤル気を取り戻し(ペースが落ちることなくずっと速歩だったので、乗り手の私がちょっと疲れてきていたのです…ティックも次第に重さが増していました)、「よーしっ!頑張るゾ!!」と力を振り絞って推進し続けていった。私たちに気づいたのか、先頭集団はペースを上げた様子で次第に見えなくなってしまった。それでもギィタップ(佐々木さん)は焦ることなく、一定のペースで進んでいく。騎乗技術の拙い私にとって、長距離のペース配分の仕方はとても勉強になった。1レグ同様、場内からは下馬して引き馬。心拍は問題なく、そのままスムースにベトチェックへ。無事クリアしたが、今回は「やや脱水の傾向あり」との指摘を受けた。途中で水飲みが少なかったことがやはり影響しているなと反省し、休憩中はペットボトルなどを使って水を飲ませたり、ニンジンやリンゴを与えて回復を試みた。
第3レグスタート時刻が近づき、スタート付近に向かうと先頭のマキナがまだそこに居た。出るのを嫌がっているようだった。2番目のカリームも出発を待っていた。そこで「コレはイケるかも」と思った。後半重くなってきていたティックだったが、水を無理矢理飲ませたり、ニンジンなどをあげたりしたためか、スタート前で騎乗した感じだと、まだまだ元気はありそうだ。カリームとは数秒しかスタート時間に差がないことをいいことに、私はカリームについていくことにした。ティックもそれを知ってか知らぬか(というより前にはカリームしかいないので)スタート後、カリームを追って後ろにピタリとくっついた。この時には先頭集団(マキナ、カリーム)と第2集団(ギィタップ、ポニーボーイ、アイマ、ティック)の間に差はほとんどなかったので、カリームとティックで先頭のマキナを追っている間に、ギィタップたちも追いついて来た。そうこうしている内に、ひとりで動かなくなってしまっているマキナと遭遇。6頭で集団となって進むことになる。ひとりだとひるんだり、物見したりするティックだが、集団になればただひたむきに前の馬についていくので、安心だった。たまにペースが落ちるマキナを途中で追い抜かすシーンがあったのだが、ティックに抜かれたことが気に障ったのか、この後マキナはさっきまでの様子はどこ吹く風といわんばかりに、ペースを上げ始め、ギィタップとともに距離を引き離し始めた。続くカリームとともに、ティックは照月湖まで来ると駈歩で先頭を追いかけはじめた。そして、ヤル気になったティックはカリームを抜いてしまった。ギィタップ、マキナとは見えない位距離が開いていたので、先頭が苦手なティックは大丈夫だろうか…と心配する私をよそに、グングン追いかけるティック。あれよあれよとペースを上げ続け、見る見るうちに先頭集団が近づいてきた。実際、馬上の私は脚が痛くなって来ていたのだが、ここでへこたれている場合じゃないとティックのヤル気に乗っかってなんとか先頭集団につけることが出来た。その後も、快調についていき何と3頭揃ってゴール!心配していた脱水も、途中で水を飲んだり草を食べたりしていたので今度は大丈夫そうだった。最終のベトチェックは時間に余裕があるので、水を飲ませたり引き馬したりといったケアをし、十分に休憩した後ベトへ。少し疲労が見えはじめているようだったが、問題なく検査終了!80キロを見事完走できた。
ティックはアラビアンホースランチ創設時からのメンバーで、大会で騎乗するのは私は初めてだったが、今回の大会では非常に好調でとても頼もしいパートナーだった(というか、ティックにとっては私の方がパートナーだった訳だが)。最終ベトでは若干の疲労を指摘されたが、ベスコンのリチェックではほとんど回復していたし、「高齢ながらもすばらしい!」と見直した。怖がりで単純(失礼!)なティックと思っていたが、「やる時はやるよね!」と。そういえば、私も怖がりで単純なので、そうした意味でもいいパートナーだったのかもしれない。80キロ完走&JEF優勝はもちろん、ベスコン受賞もすべてティックの実力の賜物だ。両方受賞でき私は本当に嬉しかった。お疲れ様ティック、ありがとうティック。これからもよろしくね。

ジュニアライダー、佐々木彩妃選手©金子靖 先頭を行くのがジュニアー・北池組©金子靖 井下香苗選手©金子靖
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